一般財団法人 東洋運勢学会

特集・節気刊運勢学

第16回 四柱推命 前編

山口荘令

10月24日 霜降

【三】命式の作成

それでは実際に例を用いて命式を作成してみましょう。
例題として、昭和63年12月15日午前9時15分生まれの男性に登場してもらいましょう。

命式作成の手順の最初は、年月日時の干支を見つけだすことです。本稿では万年暦を所持しない方でも命式を作成することが出来るように、各種の表を用意しました。 では以下の手順にしたがって例題の年、月、日、時に干支を附することから始めましょう。

手順 ①

表1)の簡易万年暦から、生まれた年の干支と生年指数を検出して下さい。
 例題の昭和63年の干支は戊辰で、その横には指数51と記してあります。

手順 ②

表2)生まれ月指数表と、(表3)生月干支早繰り表を使って生月の干支と生月指数を検出します。
例題の昭和63年は閏年なので(表2)のBを見て、12月の月支の『子』と指数『35』を導き出し、さらに(表3)からは月干『甲』が導き出されます。つまり生月の干支は『甲子』生月指数は『35』となります。

手順 ③

手順①で検出した生年指数に手順②で検出した生月指数を加え、それに生日の数を加えます。
生年指数+生月指数+誕生日=答え
(答えが60を超えた時は、60以下になるまで何度でも60を引いた残りが答えになります)
 例題は、51+35+15=101 
 101-60=41となります。

手順 ④

手順③で算出された数は干支番号を示しますので、
表7)六十干支(番号・空亡)早繰り表で生日の干支を検出します。
例題の日干支は、干支番号41で甲辰です。

以上で四柱の干支・八字がすべて揃いました。

  • 年柱(生年の干支)  戊辰
  • 月柱(生月の干支)  甲子
  • 日柱(生日の干支)  甲辰
  • 時柱(生時の干支)  己巳

それぞれの柱からは次のようなことを判断します。

  • 年柱からは、祖父母の運、初年運を看ます。
  • 月柱からは、両親の運、自己の能力、中年運を看ます。
  • 日柱からは、自分の一生涯、自己の個性を看ます。
  • 時柱からは、子女運、晩年運、後継者運を看ます。

後は⑥蔵干、⑦変通星、⑧十二運、⑨空亡などを附し、更に⑩大運を定め、⑪身旺・身弱の別を定め、⑫命式に○○格の名称を与え、⑬調候用神・用神を決め、⑭吉凶神を書き入れ⑮各種専門用語や記号を書き入れて命式の作成工程は終了します。本稿では紙面の都合上⑩⑪⑫⑬⑮の手順を省略し、⑥⑦⑧⑨⑭のみで作業を進めます。

手順 ⑤

(表4)出生時刻の干支早繰り表を使って、時柱の干支を検出します。午前9時15分は、巳の刻です。日干は甲ですから、巳の刻と甲日の交点を見て、時柱の干支己巳を検出します。

手順 ⑥

表5)十二支中に内包されている蔵干内訳表により四柱の支に内包される蔵干を検出します。

  • 辰の蔵干は(乙・癸・戊)
  • 子の蔵干は(壬・癸)
  • 辰の蔵干は(乙・癸・戊)
  • 巳の蔵干は(戊・庚・丙)

手順 ⑦

表8)変通星配当表を使って変通星を検出します。変通星は日干の甲をもとにして探します。
 変通星は日干、蔵干には附しません。
 例題の年柱の戊には偏戝、月柱の甲には比肩、時柱の己には正財がつきます。

手順 ⑧

表6)十二運(十二誘導星)配当表を使い、日干と四柱の各柱の支から十二運を検出します。
 例題の年柱には衰、月柱には沐浴、日柱には衰、時柱には病が附きます。

手順 ⑨

表7)六十干支(番号・空亡)早繰り表を使い、日干をもとにして空亡を検出します。
例題の日干は甲辰ですから、空亡は寅卯です。

それでは例題の命式を作成してみましょう。

  変通星
干支(蔵干)
吉神 凶神 十二運
年柱 劫 戝
戊 辰(乙・癸・戊)
大極貴人 紅艶
月柱 正 官
甲 子(壬・癸)
天乙貴人 日時華蓋
日柱 己 酉(庚・辛) 文昌貴人 白衣殺 長生
時柱 比 肩
己 巳(戊・庚・丙)
天徳貴人 夾禄  

以上で命式の作成の説明を終わります。是非御自分の命式も作成して見て下さい。
次回、「四柱推命 後編」は、 この命式から何が判るか についてです。