第7回 地相
赤部聖晃
6月6日 芒種
土地によって人生が変わる
「地善ければ苗しげり、宅吉なれば人栄える」とは、土地に関して昔からいわれている格言です。選んだ土地が悪ければ、豊かな実りもなく、幸せな生活も望めないという戒めであり、真実を伝える言葉です。
人生には、いくつかの大きな節目があり、右にいくか、左にいくか、重大な選択に迫られる場合があります。そうした選択の中でもっとも慎重を要するのが土地の選び方です。上手に選ぶかどうかで、その後の運命に大小さまざまな影響が現われてきます。
自宅や会社、工場、商店などの敷地がどのような環境の中にあるかによって、そこで四六時中過ごしている人達の、将来の幸福や繁栄が約束されたり、真剣に働き、正直に暮らしていても、いつまでも社会の底辺で苦労を余儀なくされたり、明暗が分かれてしまうのです。
地理的にどんなに便利で、安く、景色のいい土地であっても、地相(地質や地形などから判断される地勢の吉凶)が悪ければ、後になって、精神的にも、身体的にも、経済的にも、社会的にも、苦汁をなめる結果になります。
敷地の地相は、希望に満ちた人生をおくれるかどうかの原点であり、カギなのです。
良い地相を選ぶ
その場所に立っているだけで、精気(気力や意欲)がわいてくる地相を探し、住居や墓地を建て、家運を良好にする条件を作ります。
精気が感じられる理想的な所とは、日当たりも、水はけもよく、適度な湿りのある、土の色が黄色か黒色を帯びている平地です。少々堅い草木が育ち、地質が一定していて、地盤が堅固で、力強さのある土地です。砂漠のような土地はよくありません。
その場所が以前にどのように造成されたのか、何のために使用されていたのか、地下に何があるのかなどにも注意しなければなりません。造成や使い方、埋蔵物で土地の吉凶が変わってくるからです。たとえば、山の開拓地や河川、田畑の埋立地、元工場や焼却場、排泄物や危険物、ごみなどが埋められてはいないかといった、土地の実情を詳しく調査する必要があります。
風水的要素(住居周辺の自然環境や地形など)から見た悪い地相もあります。
変形・三角・L字・U字・凹凸の多い土地、欠けた土地などは、統計的に、凶現象が発生する原因となる報告されているからです。(後述)
一般的には、日当たりがよく、西北全体が高く、しっかりした強度のあるごく普通の平坦な土地も吉相で、一族の繁栄を招き、それぞれ出世栄達の道が開けます。川や河が美しく澄んでいて、穏やかに流れている側の土地は吉です。逆に、流れの速い川、河の側は凶です。