一般財団法人 東洋運勢学会

特集・節気刊運勢学

第20回 気学傾斜法 前編

富久 純光

12月22日 冬至

傾斜法とは

傾斜法とは、人が誕生した時を支配する生まれ星(生年を支配する本命星と、生月を支配する月命星)がどのような関係をもっているかを考察して、本命星と月命星の組み合わせから導かれる傾斜宮また、月命星を中心にして様々な判断を行おうとする鑑定法です。

通常の気学では、本命星を主に性格や運勢を考察するのですが、傾斜法では月命星に中心におき、月盤上のどの位置(宮)に本命星が廻座しているかということで、『傾斜宮』というものを導き出します。そして、その傾斜宮を定位とする九星の性質や、月盤の九星の配置、月盤上の各種吉凶要素の配置によって、その人の内面に存在する性質や運勢の傾向を考察します。いわば、視座を変えて、別の方向から当人の性質や運勢傾向を考察するのです。持って生まれた自己の性格、そこに秘められた才能や長所、そして欠点や短所を、自己の個性として十分に認知することはとても大切で有用なことなのです。

自己の才能や特徴を十分に活かし、適性にあった生き方をすることで、より積極的に生きる事ができます。傾斜法は、的確にあなたの個性を浮き彫りにしてくれることでしょう。

傾斜法による性格判断で注意すべきは、傾斜宮だけで短絡に性格を判断すべきではないという事です。その人の表面に現れる性格や運勢の状態は、あくまで本命星を主としてみる(本文中の基本の運勢・性格の項を参照)べきなのです。傾斜宮による性格は、あくまで補足的なものと考えて、表面には現れていない、その人の内面に存在する隠れた性格(あるいは、潜在意識の中におけるものの感じ方や考え方…無意識の本音)として捕えると良いのです。

傾斜法の第一歩は、自分の傾斜宮を見つけることです。〈表1 月盤と傾斜宮の早見表〉を使ってあなたの傾斜宮を探して下さい。

★本命星と月命星が同じになる人は中宮傾斜といって、通常とは別のルールで傾斜宮が定まります〈表2参照〉。中宮傾斜の人は、通常より波乱性が高いので常に安定志向を心掛ける必要があります。

★〈表1〉の自分の傾斜宮が○囲いの表示になっている人は、傾斜宮に月破や暗剣殺などの凶神がつく人です。これらの人は、運勢上に波乱が多く、目的に向かって行動しても様々な傷害に幾手を遮られたりして中途挫折しやすく、無理がきかないタイプです。何事も七分八分のところで良しとする姿勢を心掛けると無難です。