一般財団法人 東洋運勢学会

特集・節気刊運勢学

第12回 暦シリーズ 十二直・二十八宿

 

8月23日 処暑

十二直

 十二直(十二客ともいう)は、江戸時代の暦注で中段に書かれていることから中段ともいいます。
 客とは他から来て宿る意、直とはまっすぐ、あるいはあたるという意味で、それを北斗七星と十二支との方位(真北が子の位置)の関係に結びつけて、日に十二種の吉凶を定めています。
 たとえば、旧正月(寅月)は北斗の剣先が寅の方位を指す時であるから、寅の日から「建、除、満、平、定、執、破、危、成、収、開、閉」の順序に繰り、人事の吉凶を占うのです。(寅は東から三十度・北よりの方角をいう)
 北斗七星の剣先星は、破軍星あるいは、いくさぼしなどと呼ばれていますが、この星が北斗七星の周期運動に従っていろいろな方角を指すことは、古くから人々の間で運命的な意味と結びついて多くの感心を集めていたのです。
 ただ、十二直の解説には吉凶いろいろの説があり相違があります。旅行や種まき、結婚や訴訟などについて吉凶を例示する説明が多いのは昔からこれらが人々の生活の重用事であったからでしょう。気といって、相手の人の世話をしたり、援助する立場になることが比較的多いとします。


たつ
新規こと始め吉。棟上げ、開店、旅行移転、 結婚など吉。但し、屋敷内の土動かしや船に乗るなどは凶。

のぞく
何事にも、悪き事をよける日。種まき、医師にかかり初め吉。物を捨てるによし。結婚と動土は凶。

みつ
万事を満たす吉日。参詣、移転、結婚、建築、開店、祝い事、種まき、動土すべて吉。

たいら
良し悪し共に平らか、相談事には大吉。地固め、柱立、種まき、結婚、祝い事すべて吉。

さだん
万事定める事吉、結婚、移転、建築、開店、種まき、井戸掘りは吉。改築、樹木植えかえは凶。

とる
五穀のとり入れ、物を買入れ、結婚、建築、祝い事など吉。金銭の出し入れ、財産整理は凶。

やぶる
訴訟や談判、争い事に吉。しかし、結婚や祝い事、物のとりきめなどには破れて凶。

あやぶ
何事にも危うき日。旅行、乗物、高所など大凶。 酒造り初めは吉、すべて退いて守るによし。

なる
物事の成就。金銭商談、開店、結婚、建築、柱立、動土など新規事に吉。争い事は凶。

おさん
万事を収納するによき日。物品の買い入れなど吉。物をだすことすべて凶。

ひらく
諸事開通する日。開店、習い事始め、建築、移転、結婚などすべて吉。葬式をだすなど不浄は凶。

とず
諸事閉止するとき。金銭の収納、墓を建てるなど吉。開店、その他万事凶。退守の日。