一般財団法人 東洋運勢学会

特集・節気刊運勢学

第15回 易占

柳下 尚範

10月9日 寒露

易占は、古代中国において盛んに行なわれた占法で、三千年以上もの伝統があります。その占いの辞は、深奥な解釈がなされ、易の書物は、単に占いの書物というだけでなく、東洋思想の研究に欠かせない、儒教のひとつの教科書でもあります。易占は個人の運命から国家社会のこと、天変地異まで、あらゆることを占えますが、特にこれからどうなるか、どうしたらよいか、ということを占うことができるのは、他の占法にみられない大きな特徴です。  〔占い方〕 正式には筮竹という竹の棒を用いますが、本書では硬貨を用います。十円硬貨五枚と百円硬貨一枚を両掌の中でよく振り、占うことを念じたところで振りをとめます。そして硬貨を一枚ずつとりだして、下から上へと並べていきます。並べ終わりましたら、日本国と書いてある表の場合は陽(1)のしるし、数字のある裏の場合は陰(2)のしるしを、硬貨に合わせて下から上に紙に書いていきます。その一つ一つのしるしを、下から上へ、初爻、二爻、三爻、四爻、五爻、上爻と称します。そして初爻から上爻まで、陰陽のしるしで表わしたものを大成卦といい、卦の名前がついています。