第12回 暦シリーズ 十二直・二十八宿
8月23日 処暑
二十八宿
東洋古代の天文学は、天に二十八の星宿(星座)を置き、太陽と月、星座の位置を見わけていました。
月の運行は、二七・三日で恒星間を動き、天を一周します。その月の運行の道筋にあたる星座を一星宿として、二十八に区分しました。
月の一日一宿のわりで、宿りながら天空を一周すると観察したわけです。
この見方は、古来インドでも行なわれ、中国では周の時代にすでに用いられていたと伝えられます。
天空の東・西・南・北の方位を四神(四霊獣)であらわしています。
「東│青龍」「西│白虎」「南│朱雀」「北│玄武」で、この四方に、それぞれ七つの星が配置されました(四×七で二十八星宿)。
古人は、天体の運行が人間の一生に大きな影響を与えるものと考えて、この二十八宿にあたる日に生まれた人の性格や運勢などを論じていますが、現代では日や月に割り当てて、吉凶を占うのに用いています。
(高松塚古墳の天上には、この二十八宿の図が描かれていたのです。)
二十八宿│区分
- 東方・青龍……角、亢、、房、心、尾、箕
- 北方・玄武……斗、牛、女、虚、危、室、壁
- 西方・白虎……奎、婁、胃、昴、畢、觜、参
- 南方・朱雀……井、鬼、柳、星、張、翼、軫
<以下二十八星宿、それぞれの吉凶は左のとおりです>
東方・青龍七宿
角 かく |
衣類の仕立て、柱立、造作、井戸掘り、結婚祝事に吉、葬儀には大凶。 |
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亢 こう |
祝事、婚約、種まき、衣類の仕立てなど吉。造作、移転、旅行には凶。 |
てい |
結婚、開店開業、家屋の移転など大吉。衣類の購入、着初めなどは凶。 |
房 ぼう |
大吉なり、結婚、棟上げ、衣類着初めなどすべ てに用いてよい吉日。 |
心 しん |
神仏祭祀、帰郷には吉。その他の旅行、移転、建築、葬式などには大凶。 |
尾 び |
結婚、開店開業には大吉。造作吉、但し衣類の仕立て、着初めには凶。 |
箕 き |
開店、普請造作、衣類の仕立て、着初めに大吉。 葬式には凶。 |