一般財団法人 東洋運勢学会

特集・節気刊運勢学

第8回 墓相

林 隆造

6月22日 夏至

納骨棺

 カロートは、墓石の下に作られた1立方メートルくらいのコンクリートの小さな室です。普通、五、六個の骨壺が安置できます。
 カロートに水が溜らないように、底に水抜きの穴を開け骨壺が水浸しにならないようにし、また、カロートの底は、土のままにしておき、遺骨が早く土に還えることができるようにするのが良いのです。

<第3図>

五輪塔

五輪塔は霊を成仏・解脱に導いて、仏の世界に送る供養のために建てられるものです。この五輪の五は、「空」「風」「火」「水」「地」の宇宙の形成元素を表したものです。
 塔形は、下の図のように下から方形・円形・三角形・半月形・宝珠形の五つの石を積み上げて一つの塔形にしたものです。平安時代に創始され、初期のものは梵字で、空・風・火・水・地を書いていましたが、後期のものには南無阿弥陀仏、南無妙法蓮華経などの題目が書かれるようになりました。

<第4図>

供養

古来より、私たち日本人は敬神崇祖の観念が強く、特に墓にたいしては、故人の遺骨や遺骸を埋葬してあるというだけでなく、故人の霊を祀り、供養をつとめ、死後の安穏を求めてきました。
 それと同時に、供養祭祀をすることにより、自分たちの安泰を願ってきました。このことは『死』を意識することにより、充実した『生』を考えるからです。
 お墓は末代まで供養をつづけることに、お墓の真の意義があるのです。供養する心が、その家の力となって子孫に伝承されていくものです。